進化するダイレクトマーケティング?6つのTIPSから変遷を読み解く

松本 健太郎

ダイレクトマーケティングという言葉を聞いたことがありますよね?

ダイレクトマーケティングと言ったり、「ダイレクト」と省略して呼んだりと、日常的に聞く言葉かもしれませんが、詳しく説明してと言われても簡単にはいかないものです。

一つの理由として考えられるのは、ダイレクトマーケティングが提唱された初期の頃から時代が変わり、具体的な手法やプロセスが変わってしまったからではないでしょうか?

では、「ダイレクトマーケティングは古いマーケティング手法なの?」と考える方もいるでしょうが、そんなことはありません。

むしろテクノロジーがダイレクトマーケティングを進化させていると考えることもできます。今回は、そんなダイレクトマーケティングの変遷を、6つのTIPSから読み解いていきたいと思います。
 

1. ダイレクトマーケティングとは何か?

ダイレクトマーケティングとは何かを知るために、まずは少し時代を遡ってみましょう。

ダイレクトマーケティングは、今から50年以上前にレスター・ワンダーマンよって提唱されました。

レスター・ワンダーマン

レスター・ワンダーマン


 

出典:電通ワンダーマン

ダイレクトマーケティングは、マスマーケティングのように予算をたくさん使って多くの人にリーチするという考えではなく、個々の顧客からレスポンス(反応)を得て、そのレスポンスに合わせてプロモーションを展開していくという考えが特徴的です。

より詳しく書くと、レスター・ワンダーマンは対象とする顧客が多数いても、個々の顧客に対して「一人の顧客」だと認識して関係構築をするべきだと考えていました。

さらに、その一人の顧客に対して使うマーケティング費用を、回収が伴う投資費用だと考える点も、ダイレクトマーケティングの特徴だと捉えられます。

つまり、ダイレクトマーケティングは「一人の顧客に対して予算をいくらかけたのか、そしてどんなレスポンスを得られたのか?」といった点を見ながら展開していくのです。

ダイレクトマーケティングと聞くと、ダイレクトメール(DM)やクーポン、メールマーケティングなど方法論を先にイメージしてしまいがちですが、本当に大事なことは個々の顧客に対して「一人の顧客」だと認識する点です。
 

2.インターネットが変えたダイレクトマーケティング

レスター・ワンダーマンが若かりし時代は、デジタルマーケティングの概念はありません。

しかし、時代が移り変わった現代でも、ダイレクトマーケティングの考えが廃れることなく存在するのは、なぜでしょうか?

インターネットが世に広まった今、顧客の注文がネット経由になっただけではなく、問い合わせや資料請求といった具合にCVの種類が多くなり、かつCVに至るまでのアクションも多岐にわたるようになりました。

つまり、マーケティングはインターネットと出会ったことで複雑になったとも言えます。

ただ、ことダイレクトマーケティングに関しては、個々の顧客のレスポンスを重要視する点が、デジタルマーケティングとの相性が非常に良いといった側面がありました。

なぜなら、デジタルマーケティングはレスポンスをデータとして収集できるからです。

マーケティングは確かにインターネットに出会って複雑化しました。しかし複雑化しても尚、ダイレクトマーケティングの考えは廃れることはありません。

廃れるどころか、顧客一人一人に合わせたパーソナライゼーションのテクノロジーが進化し続けているため、いっそう注目を集めていると言っても過言ではないでしょう。
 

3.ダイレクトマーケティングの具体的な手法

ここでは、Webを使ったダイレクトマーケティングの具体的な手法を見てみましょう。様々な手法がありますが、イメージしやすいように基本的な流れに沿って説明します。

まずAさんはWeb広告を見て、気になっていた化粧品だったのでクリックします。

Web広告をクリックした先は、ランディングページです。

ここでAさんは、名前や住所やメールアドレスといった情報を入力して、商品を購入します。(ここで、企業とAさんとの接点が生まれます。これがコンビニでの購入だったら、基本的にはAさんが買ったという情報を企業は手に入れられません。)

企業はワンダーマンが言うように、Aさんを一人の顧客だと認識して、メールを送ったり、DMを送ったりします。

文章内容も、Aさんに合わせた内容にして、ワンランク上の商品をオススメしたり(アップセル)、別の商品をオススメしたり(クロスセル)するのです。
 

4.ダイレクトマーケティングにおける効果測定の重要性

各顧客のレスポンスによってアプローチを変えるダイレクトマーケティングにおいて、効果測定は重要な要素です。

レスポンスがわからなければ次の施策に活かせないし、個々の顧客を「一人の顧客」と捉えることもできません。古くはレスター・ワンダーマンの時代から、ABテストの効果検証を行っていました。

現代においては、アドエビスのような、広告効果測定を基軸としたマーケティングプラットフォームを使用することで、レスポンスを可視化することができるようになりました。
 

5. ダイレクトマーケティングとリードナーチャリング

レスポンスと言っても、単純にCVを見るだけではありません。

CVまでのカスタマージャーニーを分析することで、顧客がどのようなマーケティング施策に反応したのかがわかるようになりました。

カスタマージャーニー分析

カスタマージャーニー分析


 

結果、リードジェネレーションからリードナーチャリングのプロセスを明らかにすることができ、ダイレクトマーケティングにおいてもリードナーチャリングの重要性が増しました。
 

6.進化するダイレクトマーケティング

スマートフォンやSNSの台頭により、顧客とのタッチポイントは一気に増えました。

一方で、レスポンスを計測するテクノロジーも進化を遂げていて、顧客との各タッチポイントを分析できるようになりました。

その結果、顧客一人一人に合わせたマーケティングを展開する、ダイレクトマーケティングは飛躍的な進化を遂げました。

たとえば、DMの時代ではわからなかった離脱率や読了率も、Web上だったらわかります。顧客一人一人の関心度を数値化するために取得できるデータは、膨大にあるのです。

さらに近年では、マーケティングオートメーションや、Web接客ツールも登場しています。

サイト来訪者に個別にアプローチしたり、過去にアプローチした際のレスポンスをデータとして蓄積することで、最適化されたマーケティング施策を展開できるようになりました。

テクノロジーが、ますますダイレクトマーケティングを進化させているのです。
 

今回のまとめ

ここまで読んでいただくとわかりますが、ダイレクトマーケティングは、最新のマーケティング手法ではありません。

しかし、今なおレスター・ワンダーマンをはじめとする先人の知恵に、大いに学ぶことがあります。

最新テクノロジーの動向も大事ですが、温故知新という言葉があるように、古きを知って新しきを学ぶことも大事なことなのかもしれません。