坂本龍馬さんに学ぶ!マーケターが知るべき3つのポイント

松本 健太郎

「海援隊(亀山社中)」の創設、「薩長同盟」への貢献、幕末の志士たちに与えた大きな影響・・・

尊敬する人物として、「坂本龍馬」の名を挙げる人は少なくありません。ソフトバンクグループの創始者である孫正義氏も、そのひとり。尊敬する人物として、たびたび坂本龍馬を取り上げています。

そして、幕末という動乱期で大きな功績を残した彼の手腕には、現代のマーケティングに通じるところも少なくありません。

そこで今回は、坂本龍馬の残した数々の功績の中から、私たちマーケターが学ぶべきポイントを3つ紹介します。

 

① 本質を見極める

「彼自身が何か新しいことをしたわけではない」

坂本龍馬に対する批判的な意見として、耳にすることの多い表現です。幕末に坂本龍馬が起草させて新時代「明治」の礎となった船中八策(※1)も、「彼の周囲にいた人物たちの意見をまとめたに過ぎない」と批判する人もいます。

しかし、この「周囲の意見をまとめる」ことこそが坂本龍馬の真骨頂。さまざまな身分、生い立ち、主義を持つ人々の意見に耳を傾け、それらを練り、1つにまとめるというのは、簡単なことではないのです。

「本質をつかむこと」とは「センターピンを倒すこと」

「本質をつかむ」ということは、「ボウリングのセンターピンを倒すこと」に似ています。真ん中さえ倒せば、あとは自動的に6〜7本は倒れてくれるというイメージです。

そして、坂本龍馬は本質を捉えることが抜群に上手い人でした。言うなれば、数多くの意見から「センターピン=本質」を見出して、それを的確に「倒す=解決策を見出す」ことに長けていたのです。

私たちマーケターは、人の考えを知り、心をつかむことが必要です。多くの人の意見に耳を傾け、それをまとめ上げた上で、本質を捉えた「船中八策」を作り上げるように努めなければなりません。

※1 1867(慶応3)年に、坂本龍馬が起草させた新国家構想。大政奉還、議会政治、政治における優秀な人材の登用、不平等条約の改定などに触れている。

 

② 周囲の人を巻き込む

熊本藩士の横井小楠や福井藩士の由利公正。

船中八策では、幕末期に坂本龍馬と親交のあったこうした武士たちの意見が取り入れられたと言われています。しかし、坂本龍馬の知名度に比べると、横井小楠や由利公正のそれは低いと言わざるを得ません。

「坂本龍馬が有名なのは、『汗血千里駒(※2)』のおかげだ」あるいは「『司馬遼太郎(※3)』のおかげだ」という声もあります。

確かに、幕末期を舞台にした文学作品によって坂本龍馬という人物が広く知れ渡ることとなったことは間違いありません。しかし、重要なのは彼自身が小説の主人公となるような働きをしたという事実です。そして、彼の功績を知る大勢の人間が存在したということです。

大きな偉業というものは、ひとりで成し得るものではありません。「仲間」の存在が不可欠です。そして、その仲間が「あなた無しにはなしえなかった」と言わしめるほど、人を巻き込む力が坂本龍馬にはありました。

地球一周分の距離を移動して多くの人を「巻き込んだ」

彼の生涯移動距離は、4万キロと言われています。交通手段も限られていた幕末期に、地球一周分もの距離を移動していたことになります。彼は多くの人の意見に耳を傾けるために、そして、自分の考えをひとりでも多くの人に伝えるために各地を回ったのです。

私たちマーケターも机上のデータばかりに踊らされるのではなく、人に出会う心構えが必要です。そして、出会った人を「巻き込む」意志と行動力を持ち合わせなければなりません。

※2 坂崎紫瀾の作。坂本龍馬を主人公とした伝記小説。
※3 1923年~1996年。戦国や幕末を舞台とした作品の多い歴史小説家。

 

③ 朝令暮改な素直さを持つ

元々は「攘夷派(※4)」であったのに、勝海舟に会ったら途端に「開国派(※5)」へ鞍替え…

「変わり身が早い」と言ってしまえばそれまでですが、良いと思ったことへ考えを改めることに坂本龍馬にはためらいはなかったようです。

人から影響を受けやすいということではなく、良いものを柔軟に取り入れる器量の持ち主であったと言えます。自分の意見にこだわるあまりにより良いものを取り入れられない頑固さや、意見を受け入れられない器量の狭さと坂本龍馬は無縁でした。

デジタルマーケティングは、めまぐるしく変わり続けています。DSP/SSP誕生以降もDMP、コンテンツマーケティング、動画広告と新しい手法が登場。多くのマーケターが、こうした急激な時代の変化に翻弄されています。

そんな時代だからこそ、「本質をつかんだ上で必要なものだけを取り入れる」「方向性や意見を変えることを恐れない」という坂本龍馬の発想力、行動力、柔軟な姿勢を学ぶべきなのです。

※4 夷人(外国人)を実力行使によって排斥しようという攘夷論を支持したグループ。
※5 外国との交流を積極的に行っていこうという開国論を支持したグループ。

 

今回のまとめ

① 本質を見極める
② 周囲の人を巻き込む
③ 朝令暮改な素直さを持つ

これら3つのポイントをおさえて、急激に変化する現代マーケティングの世界を生き抜いていきましょう。