これもステマなの?ソーシャルの時代こそ知っておきたいステマの定義

口コミによる波及効果を狙って、商品やお店の評判を意図的につり上げることを「ステマ」と言います。

芸能人をはじめとするインフルエンサー(拡散力を持った人)がステマに利用されるケースが目立ちます。少し前には、ペニーオークション詐欺の一件で芸能人とステマの関係が世間の知るところとなりました。

今回は意外と知られていない「ステマ」の定義と、身近に潜む危険性について解説します。

 

ステマとは何か?

ステマとは「ステルスマーケティング」の略であり、広義の意味で「その文章が宣伝であると消費者に悟られないように宣伝を行うこと」を指します。

「ネイティブ広告」もステマだという声もありますが、文中に広告と明記されている限りはステマではありません。昨今問題となっているのは広告表記が無いネイティブ広告です。

また、一般的に言われるステマはもっと狭い意味で使われていて、「商品やサービスとは直接の利害関係がないファンの感想を装うなどして宣伝すること」を指す場合がほとんどです。

 

ネイティブ広告とステマの違いとは?

ところで、ネイティブ広告とステマの違いを、正確に説明できますか?

2015年3月に、JIAA(一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会)がネイティブ広告の定義を記したガイドラインを発表したことで、その線引きがはっきりしました。その定義を、以下に掲載します。
 

ネイティブ広告を媒体社が編集する記事・コンテンツであるとユーザー(消費者)が誤認することのないよう、広告の責任の所在を明確にするために、広告であることと、広告主体者が誰であるのかを明確にすることが必要である。
《ガイドライン策定の論点と概要》より抜粋


デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一体化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告を指す。
《ガイドライン-ネイティブ広告の定義と用語解説》より抜粋

 

このJIAAの定義から考えると、ネイティブ広告とは「コンテンツと馴染んだ体裁で提供されるような、一見すると広告には見えない広告」ということになります。

一方でステマについては、「広告でありながら広告と告知せずに、読者を強引に目的の商品やサービスに誘導させること」が目的とされています。

そのため体裁としてはネイティブ広告であっても、商品やサービスのメリットばかりを記載するといった形でユーザーの適切な判断を意図的に妨げる内容となっている場合にはステマに含まれると言って良いでしょう。

ステマ記事については、大手メディアを中心に排除する動きが活発となっています。最近では2015年7月に、「Yahoo!ニュース」からステマ記事が一斉に削除されました。

 

ステマに使われているのは広告だけではない

ステマに関する問題は、いわゆる広告に限った話ではありません。広告ではない「口コミ」についてもステマにつながるリスクがあります

たとえば、商品やサービスの利用へと誘導することを目的に口コミする商品やサービスの機能や内容を偽ることは「ステマ」となってしまいます。また多数の投稿を行って、さも人気があるように見せるのもステマとなります。

そもそも口コミというのは、ユーザーの声を公開することで商品の中立的な評価を明らかにするのが本来の目的です。しかしこの口コミを意図的に操作してしまえば、情報の信頼性や中立性が大きく損なわれてしまいます。

 

事実、消費者庁も口コミ悪用を防止する取り組みを開始しています。

消費者庁では、平成24年に「『インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項』の一部改定について」を発表しました。そして、口コミサイトで「問題となる事例」として、以下の内容を示したのです。


商品・サービスを提供する店舗を経営する事業者が、口コミ投稿の代行を行う事業者に依頼し、自己の供給する商品・サービスに関するサイトの口コミ情報コーナーに口コミを多数書き込ませ、口コミサイト上の評価自体を変動させて、もともと口コミサイト上で当該商品・サービスに対する好意的な評価はさほど多くなかったにもかかわらず、提供する商品・サービスの品質その他の内容について、あたかも一般消費者の多数から好意的評価を受けているかのように表示させること。

 
このように、口コミはステマというレッテルだけでなく場合によっては景品表示法違反となる可能性があるのです。

 

そもそも「嘘」はいらない

ビジネスにおいては、自社だけでなく相手にとってもメリットのあるWin-Winの関係を目指すべきではないでしょうか。

ビジネスの一環としてのコミュニケーションでも、相手にとって価値のある情報を発信するようにしなければならないと考えています。したがって、事実や実体験に基づかない嘘の内容を相手に対して発信する必要などそもそも無いはずですが、こうしたステマに終わりが見えません。

 

今回のまとめ

今回ご紹介したようなステマ記事を排斥する近年の流れは、正しい情報を、それを求めるユーザーに対して、適切な形で提供している企業にとっては歓迎すべきものであると考えることもできます。