ライバルに差をつけるデータプレゼンテーション4つのコツ

松本 健太郎

今回は、データプレゼンテーションで抑えておきたいコツを4つ紹介します。

 

データプレゼンテーションとは、円グラフや棒グラフ、折れ線グラフ…視覚的表現を用いて主張を訴える手法をいいます。

本当に優れた資料は数字が語ると言いますが、データプレゼンテーションでもプレゼンターは数字の説明はあまり行われません。数字が語るメッセージを話します。見ている人はグラフ等の表現から瞬時に数字の意味を理解し、プレゼンターの話に耳を傾けます。

つまりデータプレゼンテーションは、瞬時に相手に意味が伝わる表現方法である必要があります。

 

そこで、視覚的に目に留まるとされる表現を4つ紹介します。この方法を応用すれば、観衆に「ここに注目して欲しいのか」と伝播するに違いありません。

 

1つだけ違う色にする

同じような固まりの中に、1つだけ異質なモノが混じれば、人間は自然にそれを「何か違う」と識別します。

代表例としては「色」です。

10本ある棒のうち、1本だけ赤色の棒で残り9本は黒色の棒だったとしたら、赤棒は相当に目立ちます。

 

図1:赤くなっている部分が目立っている

図1:赤くなっている部分が目立っている

 

つまり自分の言いたい点だけ色を変えて表現するのです。

例えば市場調査の結果、新商品を購入したユーザーのうち、メインターゲットと事前に想定していた50代が半分を占めていたことを訴える場合を想定します。

分母に体する50代の割合が半分を示していたことに最も適した表現は円グラフです。次のようになります。

 

図2:商品を購入した約半数が50代だった

図2:商品を購入した約半数が50代だった

 

ここで言いたいことは、50代の割合が51%だったことではありません。事前に想定していたメインターゲットは間違いではなかった、ということです。

ですから50代の割合だけ色を変えて、観衆に「50代に注目して欲しい」とメッセージを投げ掛けます。

この表現は最もポピュラーな手法で、円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ、散布図、バブルチャート等、様々なグラフ表現で用いることができます。

 

1つだけ色を濃く(薄く)する

全く違った色に変えるだけでなく、色の濃淡を変えるという手法もオススメです。

特に、配色には気を付けないと「割合の低い10代に、わざと膨張色を使っただろ」と言い出す人もいます。一方で色の濃淡を変えるだけなら、そのような指摘を受けることも無いでしょう。

例えば重点商品に指定していたポロシャツの売れ行きが、その他の重点商品と比べてかなり悪いことを従業員に訴える場合を想定します。

1つのグループの中である数を比較し合うのに最も適した表現は棒グラフです。
次のようになります。

 

図3:色の濃淡を分けることで、濃い部分に注目が集まる

図3:色の濃淡を分けることで、濃い部分に注目が集まる

 

 

ここで言いたいことは、ポロシャツは201点売れたことではありません。なぜポロシャツの売上が悪いかを考えて欲しい、ということです。

ですからポロシャツだけ色を濃くすることで、観衆に「ポロシャツに注目して欲しい」とメッセージを投げ掛けます。

この表現もポピュラーな方法で、似通った色を使うという特性上、比較を行うグラフ表現に優れています。円グラフ、棒グラフが有効と思われます。

 

1つだけ線の幅を変える

1つだけ異質なモノが混じっていることを表現するのに優れているのは「色」だけではありません。他にも「形」があります。

10本ある棒のうち、1本だけ棒が太かったとしたら、その棒は相当に目立ちます。

 

図4:他よりも太くなっている部分が目立っている

図4:他よりも太くなっている部分が目立っている

 

つまり自分の言いたい点だけ形を変えて表現するのです。

例えば20代男性属性を持つ訪問者に向けて広告を配信しているグループのCTRが、他と比べて一番良い推移をしていることを訴える場合を想定します。

ある集団の推移を表現するのに最も適した表現は折れ線グラフです。次のようになります。

 

図5:20代男性属性に向けた広告配信のCTRが一番高かった

図5:20代男性属性に向けた広告配信のCTRが一番高かった

 

ここで言いたいことは、5月4日のCTRが9.29%だったことではありません。このグループに広告費をより突っ込んだ方が効率は良い、ということです。

ですから20代男性属性グループだけ線を太くすることで、観衆に「このグループの推移に注目して欲しい」とメッセージを投げ掛けます。

この表現は、折れ線グラフのみ有効と考えたほうがいいでしょう。棒グラフに用いると「ヒストグラムなのか?」というツッコミが飛んできそうです。

 

1つだけ違う形で表現する

線の太さだけでなく、表現形そのものを変えるという手法もオススメです。

全ての表現を○で表しているのに、1つだけ△があると目に留まります。

例えばあるチラシの配布量と売上に関係性が見えない中で、ある店舗ではチラシを配布すれば必ず売上を増やしていることを訴える場合を想定します。

2変量の傾向を表現するのに最も適した表現は散布図です。次のようになります。

 

図6:注目して欲しい要素[店舗A]でを▲で表現している

図6:注目して欲しい要素[店舗A]でを▲で表現している

 

ここで言いたいことは、5月4日はチラシを6万世帯に配布したところ1568万売り上げたことではありません。店舗Aのチラシ戦略を盗んで全店舗に活かしたい、ということです。

ですからA店舗だけ△で表現することで、観客に「店舗Aに注目して欲しい」とメッセージを投げ掛けます。

この表現は散布図のみ有効と考えたほうがいいでしょう。バブルチャートに用いると「そもそもの面積量が違うから比較できない」というツッコミが飛んできそうです。

 

まとめ

データプレゼンテーションで大事なことは、メッセージ、数字、この2つを混ぜ合わせた適切な表現、この3つです。

言いたいことを明確に伝えるための手法を学べば、その効果は増していきます。
今回のコツが、皆さんのお仕事に役立てば幸いです。