ブランドイメージ戦略で肝心なことー高品質よりも良いイメージ?

「ブランディング」と聞いて何を思い浮かべますか?

ブランディングと聞くと、多くの方は「ブランド」という言葉を思い浮かべるでしょう。

そこには高級感や、希少性、革新性などが感じられるかと思いますが、ブランディングとは、そのような「人々が企業・商品に抱く良いイメージを醸成すること」・・・と、以前、説明しました

企業はブランディングのために、ロゴや商品のパッケージ、テレビCMや雑誌広告、WEBサイトといった顧客との接点すべてにおいて、デザイン・カラーリング・音楽・コピーといった様々な要素で顧客の感情に訴えかけることができますよね。

その一つ一つの訴求が、顧客の頭の中に良いイメージを作り出し、醸成することにつながります。今回は、そういったブランドの「イメージ戦略」について考えていきましょう。

 

ブランド=顧客のイメージ?

世界的に有名なクラフトビールであるブリュードッグの創業者、ジェームス・ワット氏 は「ブランドとは、自分で操ることのできない、人の頭の中にある感情的な反応のこと。」と述べました。

出典:BrewDog

「感情的な反応」とは、例えばAppleに洗練されてクールで前衛的な印象を受けたり、無印良品に親しみやすさを感じたり、トイザらスでワクワクする気持ちになったり・・・といった時の私たちの反応のことを指していますが、これは別の言葉でも表現することができます。それは「イメージ」です。

さらに「ブランディング22の法則」で、著者は以下のように述べています。

長年の観察の結果、私たちは「市場における成功とブランドの比較テストの間にはほとんど何の相関関係もない」という結論に到達した。それが味覚テストであれ、正確度テスト、信頼テスト、耐久性テストであれ、あるいは独立した第三者によるその他の客観的なブランドテストであれ同様である。

ここで述べられていることは、「品質とブランド力には何の関係もない」ということです。つまり、最も高い品質のものが顧客から最高のブランドとして認められているかと言うと、全然そんなことはないですよといった話です。

これは、いかに人々が実際の品質ではなく、ブランドが持つ力に惹かれて商品を購入しているのかを表しています。・・・さらに著者はこうも述べています。

品質、というよりも品質に関する認識は買い手の頭の中にあるのだ。あなたがもし強力なブランドを築きたいと思うなら、買い手の頭の中に品質に関する強力な認識を築き上げなくてはならない。

「認識」とありますが、「イメージ」と言い換えることもできますよね?

実際の品質ではなく、顧客の頭の中にあるのはブランドのイメージです。そして、このイメージこそがブランドが持つ力とも言えます。

 

ブランドイメージは一朝一夕ではできない

「エルメスのライバルは虎屋です。」といった有名な話があります。

エルメスはファッションブランドであり、虎屋は和菓子のブランドですよね?ブランド誕生の背景から売っているものまで違いますが、この2つのブランドには老舗であるという共通点があります。

創業から数えると、虎屋は約500年でエルメスは約180年。今でこそほとんどの人に広く知られているブランドですが、一つのブランドが顧客の頭の中にイメージを築き上げるには、途方も無い時間と努力が積み重ねられているのです。

老舗の歴史を知れば知るほど、顧客の頭の中にイメージを築き上げることが、一朝一夕ではできないと良くわかります。

 

ブランドイメージ戦略において肝心なこと

では、それだけ時間がかかるブランドのイメージ戦略は、ただコツコツと長く続けるだけが正解なのでしょうか?

自社のブランディングを見直そうとする私たちに、ヒントになりそうな言葉がありました。

ブランディングの最も効果的で、実り多く、役に立つ側面とは新しいカテゴリーを創造することである。言い換えると焦点をゼロにまで絞り、まったく新しい何かを始めることである。

出典:「ブランディング22の法則」著者:アル・ライズ ローラ・ライズ

イメージ”戦略”と言うからには、ただブランドの良いイメージをコツコツ訴求しているだけではなりません。

私たちは自社ブランドがどんなカテゴリーを創造すべきなのかを、戦略的に考えるべきなのです。

コカコーラがコーラ市場を創ったように、ドミノ・ピザがピザ宅配市場を創ったように、ジレットがカミソリの替え刃を創ったように、最初はどんなにニッチな市場だと言われても、他社とは明確に差別化できる新しい市場を創造すべきではないでしょうか?

その上で、自ら創った市場においてナンバーワンであることを顧客に訴えかけていく。このことこそ、イメージ戦略において肝心なことです。

ブランドイメージ自体は抽象的なものですが、実はマーケティング的な発想で、戦略的に市場を創造していく視点が、必要になってくるのかもしれません。



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