ブランドなきブランド?MUJIが世界で愛される理由とは

「無印良品」と聞けば、今や誰もが知っているブランドですが、どれくらい詳しく知っているかと聞かれたら答えに窮するのではないでしょうか?

コカコーラのように派手なプロモーションはしませんし、パタゴニアのように連綿と続くブランドストーリーが世に出てはいません。

しかし「無印良品」と聞くと、どこか共通のイメージを私たちは抱いていませんか?

それくらい頭のどこかに「無印良品」が存在すると言っても過言ではない気がします。

今回は、そんな無印良品について詳しく知っていきましょう。

れっきとしたブランドでありながらも、無印良品はセオリーを良い意味で無視したブランドなきブランドだったのです。

 

グローバルで展開するMUJIのコンセプト

タイトルにある「MUJI」は、実は無印良品の海外でのブランド名です。2017年8月現在で、海外店舗は418店舗を数えます。国内店舗が452店舗なので、国内と海外の店舗数の差がそう多くないことに気づかされますね。


出典:MUJI

基本的にMUJIは、商品を各国に合わせてローカライズしないそうです。もちろん電化製品のコンセントの規格が違うなど、商品の一部を国に合わせて変えるようなことはしますが、大幅にデザインを変えたりカラーを変えたりはしません。

それでも、これだけの海外店舗をオープンさせて、海外の人々に受け入れられているのです。つまり、MUJIはある意味で世界中で普遍的なものを売っていると言えます。

日本国内だけで通用するものではなく、人類にとって普遍的な何かを売っているMUJI・・・だからこそローカライズの必要はありませんし、そのままで受け入れられるのかもしれません。

 

ブランドなきブランド?

「ブランド」は、もともと家畜に押していた烙印の意味が由来です。「この家畜は、私たちのものですよ。」と、別の家畜と区別するために烙印を押していたのですね。

同じように各ブランドは、他のブランドと一線を画すためにロゴを作り、ブランドカラーを決めて、ブランドを象徴するコピーを考えています。

しかし、MUJIはその烙印を極力排除しました。名前の通り、無印良品(印がなくても良い商品)です。様々なデザイナーが関わっているのに、MUJIの商品にはデザイナーの名前がありませんが、これもMUJIのコンセプトを知れば納得できますね。

これらの事柄をブランディングの視点で捉えると、顧客にとってブランドを判別するための烙印(ブランド)を極力排除することで、かえって無印良品であることを証明するという逆説的なアプローチだと言えます。

つまり、MUJIは世界的に認められたブランドなきブランドなのです。

 

MUJIは商品カテゴリーを絞らない

さらに、MUJIはブランディングのセオリーから外れたことをしています。なぜ外れているかと言うと「商品カテゴリーを絞らない」からです。

http://www.muji.com/au/

一般的にブランディングにおいてセオリーだと言われるのは、商品カテゴリーを絞れるだけ絞り、自ら創造したニッチな市場でナンバーワンをとることです。

こうすることで、顧客に特定のカテゴリーでナンバーワンだと認知され、ブランディングをする上で有利に立てる戦略です。

しかし、MUJIはご存じの通り商品カテゴリーを絞りません。

MUJI式 世界で愛されるマーケティング」にはこう書いてあります。

MUJIは、幅広いカテゴリーの商品を取りそろえているにもかかわらず、ある一定のブランドイメージをグローバルに保っている。商品群にすべて同じMUJIのイメージがある。

なぜMUJIにはそれが可能なのか。MUJIのコンセプトにもとづいた商品開発で、その共通のイメージをつくりあげているからだ。だから、人によって思い浮かべる商品が違っても、MUJIには共通したイメージがある。

ここには、MUJIがブランディングのセオリーにのっとらずとも世界で愛される理由が書いてあります。

MUJIが商品開発で貫く、「人々が思い浮かべる共通のイメージを作り出す」といった視点は、ブランドを作り、育てていく上で非常に大切なことではないでしょうか?

ブランディングに関わるすべての人は、MUJIの事例が参考になるかもしれません。(本稿を執筆する上で、「MUJI式 世界で愛されるマーケティング」は非常に参考になりました。さらに詳しく知りたい方は、ぜひ読むことをオススメします。)



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