<後編>レッドブルのブランディング戦略を7つのポイントで読み解く

「誰もが知るようになった」と言っても過言ではないほど、今やレッドブルはエナジードリンクといったカテゴリーの枠を飛び越えて世界的に有名なブランドになりました。

ここではそんな世界的なブランドであるレッドブルのブランディング戦略を振り返り、7つのポイントに分けて読み解いていきます。

前編では、レッドブルが市場を創造するという目標を掲げ創業し、唯一無二の存在としてブランディング戦略を展開してきたことや、規模の大小をうまく使い分け、顧客とのタッチポイントを作ってきたという4つのポイントをお伝えしました。

後編では、冒頭に挙げるスポーツ界への進出など、割と大掛かりなブランディング戦略を見ていきたいと思います。

 

スポーツ界への進出でも「同じ印象を与える」

「同じ印象を与える」ことが重要だと前編で述べました。ブランドがブランドであり続けるには、ロゴからブランドのカラーからメッセージまで、あらゆるもので「同じ印象を与える」べきです。

レッドブルは、「同じ印象を与える」ことを、スポーツ界への進出でも体現しています。

F1やエアレース、カートレース、ボートレース、オートバイレースをはじめとするレースを自主開催するだけではなく、サッカーにおいてはレッドブルのチームが2チームもあります。(アメリカのニューヨーク・レッドブルズ、オーストリアのレッドブル・ザルツブルク。)

そのあらゆるタッチポイントで、赤い雄牛のシンボルマークや青・銀色といった、レッドブルのシンボルやカラーで、同じ印象を与え続けています。

また視覚的な印象だけではなく、イメージ面でもブレないように細心の注意が払われているのです。

レッドブルが自主開催したり、スポンサーになったりする数多のレースは、非常にリスキーでチャレンジングなものが多く、レッドブルが顧客に抱かせたいイメージと合うものが選ばれています。

こういった点を注視すると、レッドブルが視覚的にも心理的にも、同じ印象を与えるというブランディング戦略の基本を押さえていることがわかりますね。

 

サクセスストーリーもまたブランディング戦略

レッドブルは無名のスポーツ選手を発掘し、スポンサーになったり、非常に危険なチャレンジをする人への出資を積極的に行ってきました。

単純にレッドブルの名前を広めるだけなら、メジャーなスポーツのメジャーな選手の胸元に「Red Bull」と名前を入れれば良いはずですが、マテシッツ氏はここでもブランディングを第一に考えています。

それはサクセスストーリーへの投資です。無名の選手の知名度が上がっていく過程や、リスキーなチャレンジが成功するまでにはサクセスストーリーがあります。

そのストーリーこそ、レッドブルのイメージを高めるために大事なものです。

必ず成功するとは限らない挑戦に果敢にチャレンジする人、そのマインドこそ、レッドブルが自身のイメージとして世に打ち出したいものでもあるからです。

こういった投資もまた、レッドブルのブランディング戦略だと言って間違いはないでしょう。

 

メディアをつくったレッドブル

最後はメディアです。歴史を振り返るとだいぶ後期ではありますが、レッドブルは自らメディアを作りました。

名前を広めたり、イメージを売り込んだり、ライフスタイルを提案したり・・・ブランドにとってこれらのアクションをする上で無視できないのが、メディアの存在です。

良いメディアであれば好意的な情報発信になりますし、そうでないなら悪評が立ってしまいます。

他者がブランドについてあれこれ言うことは、良いことと悪いことの双方が発信される諸刃の刃でもあるのです。

だからこそ、ブランドが自らその影響力を持ちたいと考えるのは、自然なことなのかもしれません。


出典:https://www.redbull.com/jp-ja/events/red-bull-tv

レッドブルも例外ではありません。インターネットテレビ局として開局されたレッドブルTVは、スポーツやレース、フェスやイベントといった映像を無料で配信しています。

配信されるのはいずれもレッドブルのブランドイメージに合うもので、およそアクティブなシーンが見当たらない将棋や囲碁の対局ではありません。

すべてはブランディングのためであり、ここでも同じ印象を与えることに細心の注意が払われています。

前編から合わせて7つのポイントを挙げてきましたが、レッドブルのブランディング戦略をあなたはどう見ますか?

およそ深く掘り下げることはできていませんが、「同じ印象を与える」という点において非常に基本に忠実な戦略が練られていることがわかります。

後発のエナジードリンクがいくつも市場に出回っても、レッドブルの優位は揺るがない理由は、案外こういった点にあるのかもしれません。もしまた機会があったら、別の角度からレッドブルの様々なことをお伝えできればと思います。

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