ITPによって広告効果測定ツールが「盛り上がるかも」と思った意外な理由

ゲーム・チェンジャーとしてのApple「ITP」導入

Safariの新機能として、最近Web広告業界を賑わせている「ITP」と言う技術。一言でまとめると「Safariが保有するクッキー保持期間を短くするから、ブラウザ上でのユーザー行動が追えなくなります」(※トラッカー判定されているドメインが対象)というもの。これは、我々マーケティング担当者にとって、今までの常識をくつがえすような対応が求められることを多分に秘めていると感じています。

日本におけるiphoneの普及率は非常に高く、インターネットへの接続端末もPCからスマホへシフトしています。マーケティング担当者としてはWebのプロモーションを考えた時にiPhoneの「ユーザー行動が追えなくなる」と言う選択肢を取るわけにはいきません。

しかし、担当者がどんなに「ITP対応して広告設計せねば!」と奮起しても、単一の企業対応には限界があります。

それは、なぜでしょうか?

3つの理由が挙げられます。

 

マーケターが直視せざるを得ないITPの3大疑問点

(1)サイロ化されるクッキー情報

たとえば、あなたが広告主として幾つかのメディアを複数管理していたとします。各々のDSP事業者は、ITPに対応するため手段を講じるわけですが、「自社データを第三者データと連携して解決する」や「許諾を個別に得て解決する」といった対策が主になると考えられます。

いずれの方法も共通しているのは、特定企業のサーバーに依存するため「計測するツール」を介している訳ではなく「広告配信のための計測許諾」となります。

たとえば、あなたのiPhoneに「リターゲティングをしたから許諾ください」といったメッセージが表示されたとき、好意的に受け取る事が出来るのでしょうか? そう想像すると、ITPが与える影響はGoogle Analyticsのような「アクセス解析ツールを持たない企業」にとっては、死活問題になるレベルの問題と言えそうです。

仮に、ユーザーの同意を得たとしてもデータが広告事業者側に置かれている時点で「サイロ化」されている事実は否定できないだろうと素直に思います。

(2)各社の「推計値データ」に意味があるのか?

取得できた計測データがどんなに高い水準だったとしても、「広告事業者」がアトリビューション効果を算出してしまう事に、不安が残ってしまうケースも少なくありません。クライアント(ユーザー)としては、どうしても「バイアスがかかっているのでは無いのか?」と考えてしまいます。

ただ、それよりもマズそうなのが、各種広告事業者のアトリビューションレポート「推計値 A」「推計値 B」「推計値 C」が、我々の前に「レポート」として並ぶことです。
これらは「別々のロジックで算出されたもの」であり、これらが同じテーブルで良し悪しを判断されるというのは、違和感を覚えるはずです。

どんなに事業者データが揃っていても、その「推計値」が、同じロジックで並ぶことが出来ない以上、「比較」する事の意味を問われてしまいます。

(3)すべての広告事業者が対応する訳ではない

最もクリティカルな問題は、今回の「ITP」に、“すべての事業者が対応するわけではない”と言う事です。
どんなに成果のあった媒体でも「この事業者はITPに対応していない」となってしまった瞬間、これまで計測・分析してきたアトリビューションやカスタマージャーニーの考察ロジックが推測に置き変わってしまいます。

この問題を解決する為に、マーケティング担当者は媒体に「貴社のITP対応はどうなっていますか?」と個別確認するのでしょうか? あまり現実感がありません。

 

第三者視点でデータを扱える「計測ツール」という選択肢

Apple「ITP」導入は今回ご紹介したとおり、多くの問題を抱えています。

しかし、データを計測する為の基盤さえ整っていれば、媒体側での推計値レポートは大きな問題とはなりません。ツール側で管理すれば万事解決することができます。

今回のケースが、広告成果のレポーティングする上で、データが正しく計測されていることの重要性を知っていただく機会になればと思っております。

しかし、技術って怖いですね。

※2017年9月25日時点で判明している仕様に基づいて書き起こしています。