マーケティングの仕事って何?コトラーの力を借りて3つに分解してみた

マーケティングの仕事とは、具体的に何を指すのでしょうか?

マーケティングという言葉は日常で頻繁に使いますが、マーケティングの仕事を簡単に説明してみて?と問われると難しいものがあります。

困った時は先人の知恵を借りるのが一番です。そこでフィリップ・コトラーとドラッカーの知恵に頼ることにしましょう。

コトラーもドラッカーもマーケティング戦略について、もはや哲学と言えるまでに深い考えを持っていますが、果たして「マーケティングの仕事」については、どのような見解を持っているのでしょうか?

今回はコトラーとドラッカーの知恵を借りて、マーケティングの仕事をシンプルに3つに分解します。そして、最後にマーケティングと営業(セールス)の違いを考えてみましょう。
 

1.コトラーが考えるマーケティングの仕事

マーケティングといえばフィリップ・コトラーです。アドエビスマーケラボでも、何度かコトラーの知恵を借りてマーケティングについて考えてきました。では、コトラーはマーケティングの仕事をどの様に捉えているのでしょうか?
「3分でエッセンスを学ぶ!コトラーのマーケティング理論、6つのTIPS」で詳しく述べていますが、まずコトラーはマーケティングの定義を以下のように捉えていました。

「ニーズに応えて利益を上げること」

「どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生み出し、顧客に届け、そこから利益を上げること。」

出典:『コトラーのマーケティング・マネジメント ミレニアム版』ピアソンエデュケーション 著者:フィリップ・コトラー 翻訳:恩藏 直人

コトラーが考えるマーケティングは単純明快です。顧客のニーズを知り、そのニーズに応えることで利益を上げる=マーケティングと考えています。

1. 顧客を見つける
2. 顧客のニーズを知る
3. ニーズに応える商品・サービスを創る

つまりコトラーが考えるマーケティングの仕事は、この3つに分けられるのではないでしょうか?

 

2.ドラッカーが考えるマーケティングの仕事

さて、我らがドラッカーも忘れてはなりません。

マーケティングというよりは「経営・マネジメント」=ドラッカーという印象もありますが、著書を読み解くとマーケティングについても多くの言及があります。

「ドラッカーの名言14選!CMOは経営・マーケティングができるリーダーであれ」で詳しく述べていますが、ドラッカーは「顧客の創造」という言葉でマーケティングの仕事を説明しています。

出典:「ドラッカーの名言14選!CMOは経営・マーケティングができるリーダーであれ」

ドラッカーが語るマーケティングの仕事は、スティーブ・ジョブズがAppleで行ったマーケティングをイメージすると分かりやすいかもしれません。顧客でさえも自分たちのニーズをわかっていなかった状況で、ジョブズは数々の製品を世に出し熱狂的な支持を得ました。

誰がMacやiPod、iPhoneを待ち望んでいたでしょうか?顧客はAppleの製品を手にとって初めて、(ああ!これが欲しかったのだ!)と思ったはずです。

機能性・操作性に優れ、かつ惚れ惚れするほど美しいデザインのコンピューターが欲しい顧客を創造したジョブズは、まさにドラッカーが語るマーケティングの仕事を体現していたと言えます。

 

3.マーケティングの仕事を3つに分解して考える

コトラーとドラッカーが考えるマーケティングの仕事を紐解いたところで、2人の考えに助けを借りつつ、改めてマーケティングの仕事について考えたいと思います。

マーケティングの仕事は、大きく3つに分解されます。

3-1. 顧客を見つける(創造する)

コトラーもドラッカーも本質的には、同じことを言っています。マーケティングにおける一番最初の仕事は、「顧客を見つける(創造する)」ことです。

世間の多くの人が、マーケティングの仕事を「市場調査」と同義に捉える傾向がありますが、市場調査はマーケティングの仕事における一部分です。そして、市場調査をする目的は「顧客を見つける(創造する)」ためあり、その目的のための一つの手法に過ぎません。

3-2. 顧客を確かめる

マーケティングにおける2つ目の仕事は、「顧客を確かめる」ことです。

「顧客を見つける(創造する)」段階が完了したところで、100%の確証など無いのが現実です。というよりは、マーケティングを進めていく上で、最初に想定した顧客が見当違いであることは往々にしてあります。

私たちマーケターに求められることは、PDCAを回しながら、想定顧客が本当に顧客なのかを確かめることです。

3-3. 製品を改善する

マーケティングにおける3つ目の仕事は、製品を改善することです。

もちろん洋服であればデザイナーがデザインスケッチを書き直しますし、システムであればエンジニアがコードを書き直します。つまり、マーケターが直接的に製品を改善するという意味ではありません。

「顧客を確かめる」段階で発見した新たなインサイトを元に、本当の顧客が求めているのはどのような製品なのか?を企画して製品を改善すること。これがマーケティングの3つ目の仕事です。

 

4.マーケティングと営業(セールス)の違い

最後に、マーケティングと営業(セールス)は何が違うのか?という疑問に、ドラッカーの言葉を借りてお答えしたいと思います。

ドラッカーは、以下のように述べました。

マーケティングの理想は販売を不要にすること

出典:『断絶の時代』P.F.ドラッカー

ドラッカーは、マーケティングで「顧客の創造」ができれば、販売、つまり営業(セールス)は不要になると説いています。(理想と書いてありますが)

ここから想像できることは、顧客が能動的に動いて購入するように仕掛けるのがマーケティングで、顧客に対して働きかけて購入してもらうのが営業(セールス)ではないか?ということです。

ドラッカーが描く理想のマーケティングは、顧客に対して働きかけるまでもなく、顧客が能動的に購入します。

マーケティングと営業(セールス)の違いは、こう言った視点で捉えることでシンプルに理解できるのではないでしょうか?

 

今回のまとめ

マーケティングの仕事について、コトラーとドラッカーの力を借りて解説しました。しかし、もちろん事業内容や企業規模によって、マーケティングの仕事も様々です。

今回ご紹介したTIPSを参考に、自分なりのマーケター像を描いてみてくださいね。

こちらも参考になるので、ぜひご一読くださいませ!
「マーケターとは何をする仕事なのか?3つの視点でその本質を捉える」